人工発毛に対する査察および報告書

15：00　ミッション開始

愛車に乗り込み市街地へ向かう。ここから敵拠点までは、約60キロの道程。気を引き締めてハンドルを握る。たどり着く前に事故死じゃシャレにならんしな。

16：30　交戦！！

いよいよ敵陣地に乗り込む。ドアをくぐると爽やかな空間にリラックスした音楽が流れている。社員の応対もまずまずだ。まずはアンケート記入から始まるようだ。今ここには誰もいない。写真を撮れないのが残念。さぁて…始めようか！！

16：45　問診

カウンセラーとの問診が始まった。頭頂部と生え際の回復が目的だと強く念を押す。ファイバースコープを使い、頭皮をチェックするが、毛穴に詰まった皮脂がひどく、そして気持ち悪い。これが俺の頭で起こっているのか？目を疑いたくなる。これじゃあ皮膚呼吸ができずに抜け毛が増えるのもなんとなくわかる。次は一連のヘアケアを体験することになる。物好きな諸兄よ、心の準備はいいか！？

17：15　人体実験

まずはシャンプーだ。熱めのお湯で汚れを落とし、シャンプーをつけて5分くらいシャカシャカされた。んで、シャンプー終わったら頭をパーマかけるときとかに美容室で使う熱い風が出てくるやつにすっぽりと入れ、頭皮部分だけ強制的に汗をかかされる。余計な油を汗と共に出し切ってしまうためらしい。その後またシャンプー。ちなみに、このシャンプーのにおいがまた独特で、アロエの匂いと中年用育毛剤の臭いを足して２で割ったような複雑な刺激がする。俺の鼻もどう判別したらいいか分からずに戸惑っているようだった。

そうこうするうちにシャンプーが終わる。泡を流すとき、熱い湯と冷水を交互にかけられ、頭皮の神経が軽く麻痺した感じがする。そうすることで血行がよくなって髪にいいとのことだが、昔聞いたインチキ早漏解消法にしか感じないのは俺だけか？

次はリンスだ。このリンスは洗い流さないで頭皮に揉み込むように付けるだけだという。実際、洗った髪をタオルで拭いてからマッサージするようにやられた。まぁ、これは特筆すべきことはない。ちょっと気持ちよかったとだけ言っておこうか。

次は・・・これは大事だ、試験によく出るぞ暗記しとけ！！低周波マッサージとかいうやつだ。これの効能は・・・よく分からん。専門用語で説明されたのでいまいち俺も理解していない。なんとなくだが、頭皮を刺激して活性化させる的なことを言っていたような気がする。これがまた、びりびりとしびれて気持ち悪い。整骨院の電気流すやつと一緒なんじゃないかこれ、という刺激が絶えず頭に流れてくる。これが１０分くらい続いた。生え際のあたりになると、びりびりが瞬間的に強くなる。痛かった。

次は高周波マッサージだ。これも大事だメモしとけ！！これも専門用語満載の説明で効果がイマイチよく分からなかった。まぁ、やるからには髪にはいいんだろうが・・・。うぃんうぃん唸ってるだけだもんなぁ・・・。医療と科学は不思議なもんだ。俺の少ない脳みそではまったく理解できんぞ。

最後にリーブ２１特製ヘアトニックを付けて終わり。文章にすると短いが、実時間で一時間以上かかった。これを続けると効果はありそうな気がしてくる。

 

18：25　再度問診

「以上で体験コース終わりです、お疲れ様でした。」さっきのカウンセラーがにこやかに現れる。そして、一週間分のシャンプー・リンス・ヘアトニックを渡され、次回の予約まできちんと指示通りに洗うよう言われる。

そして、ここからはちょっとした悲劇だ。まず治療期間。４年ってアナタ、そりゃ気が長すぎやしませんか！？４年も通わなきゃならんの！？きつい・・・。それから更なる悲劇。思ってた以上に金がかかりすぎる。詳しくは書かないが、俺の年収がかすむほどの額を投資しなければならない。どこにそんな金があるってんだ、舐めてんのか！？親に金借りてローンを組んだって返せないぞ！！そしてトドメ。次回は必ず印鑑と通帳をお持ちくださいだぁ！？ふざけんな、誰もまだ契約するなんていってねーぞ！！俺の人生破綻させる気か！？髪の毛も大事だが、そのために人生棒に振ってたまるか！！無理だ無理！！無効だこんなもん！！

へこんだ気持ちのまま、美容師の友人宅に直行、相談をしてみる。すると、発毛効果が確認されているシャンプーセットを紹介するという。市販のシャンプーに比べると値は張るが、何百万の投資に比べればすずめの涙。そっちに賭けてみることで決定。リーブ２１には即日電話をし、料金的に見て無理だとキャンセルの電話を入れる。むこうも、みすみす客を逃すものかと、「あなたにあった料金プランを考えましょう」などと食い下がってくるが、土台金銭感覚が違うのだ。次回の予約時にきっぱりと断る予定だ。

最後にこれを見たあなた。もし向こうが何らかの強硬手段に訴えるようなことがあれば、俺は一週間後に何らかの危ない目にあうかもしれない。これが被害妄想であることを祈るばかりだが、万が一があったら・・・・。

 

あなたの手で真相を暴いてください。

それだけが僕の望みです。

ちょっと「ひぐらしのなく頃に」っぽくまとめましたが、今回のレポートどうだったでしょうか？ちょっとでもおもしろいと思ってくださったなら幸いです。最後のくだりなんですが、相手はTVに出るほどの一流企業だし、そう滅多な事はある訳ないのですが、やっぱ後ろめたさみたいなのはあるし怖いのも事実。ちょっとドキドキなのですよ、にぱー☆まぁ、穏和にいけたらいいね。